メガネのオーサカ

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新作&再入荷フレーム

2019.08.05

鯖江工場見学 Vol. 3

先日、お越し頂いたお客様から「鯖江の記事の続きはまだか?」というご要望が入りましたので、本日も頑張って書いていこうと思います。

前回は、メガネフレームの印刷についてご紹介致しましたが、今回はメタルフレームの製造現場をご紹介できればと思います。

メタルフレームを語る上で、まず素材についてお話をしないといけません。

NT合金(ニッケルとチタンの合金)
純チタン
βチタン
洋白
ゴムメタル
ステンレス
………..

などなど実はメガネに使える金属というのはいくつも種類があります。
その中で、一番メガネと相性が良い金属は一般的にチタン材と言われております。

そして、鯖江のチタンのメガネ加工技術は世界一といわれております。
製造が難しい複雑なデザインのフレームは、欧米のデザイナーでさえフランスやイタリアや中国ではなく、鯖江にメガネ製造を委託するほどです。

前置きが長くなりました。
そんな技術力もった鯖江のメタル工場ですが、今回はフジイオプチカルさんと三工光学さんの2社お邪魔させてもらいました。

フジイオプチカルさんはβチタンフレームの製作を得意としており、三工光学さんはゴムメタルというトヨタの研究所が開発した金属の加工を得意としております。両社のフレームは、ともにメガネのオーサカに並んでおりますよ。

 

さて、メタルフレームは一般的に250から300工程で完成すると言われております。

すごーい簡単にいうと
パーツをつくる―溶接する―磨く・メッキをつける という流れです。

こちらのプレス機でパーツひとつひとつを金型にあててプレスして形をつくっていきます。

 

わかりやすい使用前・使用後の画像だと思いますが、1回でみなさんが手に取るようなきれいな形になることはなく、金型を少しづつ変えながら最終形に近づけていくので、同じパーツでも3回から4回プレスしてパーツを作っていきます。

ちょっとわかりづらいですが、パーツひとつひとつを切削している様子です。全部人が介在しております。

 

ロー付けについては動画の方が面白いのでぜひこちらを御覧ください

アルゴンガスを噴射して空気が入らない状態にして一気に熱し溶接するとのこと。この治具もぜんぶ自社開発だそうです。

こちらはフレームフロント部分のリム線を巻く機械。

こちらも動画を御覧ください。

βチタンのリム線をキュッと巻いてメガネの形を作っていきます。しかもただ巻いているだけではなく、レンズがきれいに収まるカーブで3次元で巻き上げてます。

そうして出来たパーツを溶接してくっつけた後は、デザインによってピカピカにするために磨きをかけていきます。こんな感じでセットされたフレームがぐるぐる何時間も回転して、下に見える研磨剤が当たることできれいになっていきます。

こういう機械でぐるぐる回していきます。

プラスチックフレームだけでなく、メタルフレームも磨きをかけるものは磨きをかけていきます。
この道、50年という職人さんともお会いできて、熟練の技術を目にすることをできました。

そして、最後に設計図に従って組み上げて、微調整して出荷されます。

鯖江のものづくりをしっかり見せてもらい、一つ一つほとんどの工程で人の手が介在しているのが特徴的だと思いました。

鯖江のメガネ産業は基本的に分業制ですので、一つの分野で突き抜けた技術を持った会社さんが多いのですが、この2社でも汎用的な機械を独自開発した機械と組み合わせたりと数々の創意工夫でものづくりをされていることが印象的でした。

この記事を書いた人

大坂 亮志

一級眼鏡作製技能士 生まれも育ちも川崎市中原区。国内メーカー・外資系IT企業などを経てメガネ業界に。メガネ業以外にも地域コミュニティを仲間と立ち上げて活動したり、商店街活動に協力したりと、武蔵小杉をフィールドに楽しみながら地域貢献してます。

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